土地を購入して家を建てる・・・誰もが願う夢です。
運良く夢が叶う人もいれば、場所や予算によっては夢が叶わない人もいます。
そんな数少ない夢が叶う人のなかにも、満足のいく家が建てられる人と
こんなことなら建売住宅を買っておけばよかったと嘆く人がいます。
その違いは一体何でしょう?
ズバリ、それは家づくりの順序が間違っているからです。
土地を持っていない人が土地を購入して家を建てる場合、普通は最初に
土地探しをしなければ…と考えます。
ところがこの考え自体が致命的な間違いなのです。
考え方が間違っていれば、当然結果も致命傷となります。
つまり、間違った考え方をしているためにせっかく土地を見つけても
満足いく家が建てられないのです。
多くの方が、住宅雑誌や住宅チラシなど広告や住宅展示場でもらった
パンフレットに掲載されている住宅価格を基準に、おおよその建物予算
を決めそこから土地の予算を割り出します。
そしてまずは土地探しからとばかりに一生懸命土地探しに励むのです。
そしてやっとの思いで土地を購入。
いざ建物を建ててもらおうとハウスメーカーや工務店に見積りを取ると
予想外の高い見積りに困惑してしまうのです。
住宅雑誌や住宅チラシなどはお客様を集客することが目的ですから
掲載されている価格そのままでは家が建たないことがほとんどです。
また、ハウスメーカーの場合はパンフレットやチラシに載っているプラン
を前提に価格を決めていますので、そのままのプランが入らないような
土地では価格が大幅に違ってきます。
予定していた建物の予算と実際に必要な価格が500万円~1000万円
も違ってしまった、などという例は枚挙にいとまがありません。
その結果、予算が限られている人の場合は建物予算を削減するしか
方法はなく、描いていた理想のマイホームと現実のマイホームに大き
なギャップが生じてくることになるのです。
つまり、土地を購入して家を建てたい人が最初にしなければならない
ことは、土地探しの前にどんな家を建てたいのか、そしてその家を実現
するには一体いくら位の予算が必要なのか、を十分把握しておくことです。
まずは理想の家を図面上につくることからはじめます。
外観はどんな感じがいいのか、どれ位の広さの家が欲しいのか、を
はじめ家族みんなの意見を集約することからはじめます。
その次にそれら家族の理想が自分達が予定している予算で実現する
かどうか確認するのです。
予算内であれば問題ありませんが、予算オーバーであればプランを
もう一度つくり直さなければいけません。
場合によっては施工を頼む工務店やハウスメーカーを変更しなければ
ならないケースも出てきます。
そうやって工夫しながら少しでも満足いく家をつくりあげていくのです。
実はこの作業が一番時間がかかる作業であり、後悔しない家をつくり
あげるための一番大切な作業なのです。
しかし大抵の人はこの作業にかける時間が少なすぎたり、この部分の
重要性を理解していません。
その結果、どんな家を建てて、どんな生活がしたいのかについてろくに
考えもせず土地の大きさと残りの予算だけに合わせた家を建ててしまう
のです。
当然、出来上がった家と思い描いていた家ではギャップが大きく
「こんなはずじゃなかったのに…」などということがしばしば起こるのです。
土地探しの前に家づくりです。
一見順序が違うように思えますが、これが後悔しない家をつくる鉄則です。
どれくらいの寿命の家が欲しいのか、どんな生活がしたいのか、
どれくらいの広さが欲しいのか、どんな間取りがいいのか、
予算は?
など、土地探しの前に考え検討すべき問題がたくさんあります。
まずはそれらを紙面に落とすことからはじめてください。
もうすでに、このハウスメーカーで建てたいとか、この建築家にお願いし
たいと決めている方でしたら早速家族の意見をまとめて一体いくら位の
予算が必要なのか尋ねてみることです。
できれば簡単な間取りでも書いてもらうことをおすすめします。
ハウスメーカーによってはこの段階では一切具体的な相談に乗って
くれないところもあります。
それもその会社の企業姿勢ですからハウスメーカー選びの参考に
なります。
その後に土地探しをはじめるのです。
もちろん予定した間取りがそのまま実現できる土地が見つかる可能性
は高くありません。
しかし、先に家づくりについてじっくり話し合っておくことで、自分達の
家づくりにとって何が重要で何が不要なのかが理解できます。
土地選びの基準が明確になっていますから、つまらない土地を購入する
ことだけはなくなるのです。
現在の経済情勢では家を三度も建て替えるというのは至難の業です。
しかし、家づくりの順序さえ間違えなければたった一度でも満足いく家
は建てられます。ぜひ一度お試しください。