安くて良い物件は本当にある?
仕事柄よくお客様に言われることがあります。
「不動産屋さんだから安い物件が買えるんでしょう」と。
もちろん長く不動産業に携わっているといろんな情報が入ってきます。
そうそう格安な物件はあるものではありませんが、一年に何回かは、びっくりするほどの格安物件にめぐり合います。
では不動産会社の営業マンはそんな格安物件を購入するでしょうか?
もちろん明らかに安い物件は一般のエンドユーザーに情報が流れる前に不動産会社が購入してしまいます。
そして中古物件ならリフォームして、土地なら建売住宅にしてそれなりの価格で再販します。
そうではない(不動産会社が購入しない)物件だけが不動産市場に流通、つまり皆さんに紹介されているのです。
いろんな営業マンがいるので一概には云えませんが、少なくとも私は自宅に関しては安い物件だからといって飛びつくようなことはしません。
また最初から割安な物件を探そうとも思いません。
なぜなら安い物件には安いなりの理由があるからです。
確かに、急な換金のために売り急いでいるという物件はあります。
しかしそんな物件は、冷静になって考えられるほどの時間は与えてもらえませんし、そもそも何で自分のところまで情報が流れてくるのか理解に苦しみます。
誰もが安いと感じる物件なら、すぐに買う人が現れているはずだからです。
値段が割安な物件ならたくさんあります。
しかし安くて良い物件はないと思ったほうが正解です。
よく、〇〇万円も値引きしてくれたので相場より安く購入できたというお客様がいます。
しかし値引きの額と実際の価値は違います。
不動産業界で昔から云われていることは「売れた価格が相場」ということです。
値引き額が大きいということはただ単にもともとの販売価格が高かったというだけのことです。
決して安く買えたということではありません。
また、安く買った物件は、売るときも安くしないと売れないことがほとんどです。
安いからといって、希望条件ではない物件を購入するより、価格は少々高くても満足できる物件を購入すること、その方が買った後の後悔は少ないと思うのですが…