不動産屋は信用できない その3

前回は、いったんは断った方から再度の申し込みが・・・というところまで
でした。

「米本さん、そのことはお客様から聞いています。なんでも、あの方は古くから
懇意にしている不動産屋がいるらしく、今回のこともその不動産屋さんから
の指示だったようです。それで、どうでしょうか。物件は気に入っておられる
わけですから、話を進めていただけませんでしょうか? もちろん、契約に
関しては、通常通り手付け金をお支払する形でかまいません。それは先方
も承知しています」

 「買っていただけるのはありがたいですよ。でも、前回のことで売主さんは
気分を害していましたからねぇ。どう言われるのかわかりませんが、とりあ
えず売主さんと相談してきます。でもあんまり期待しないでくださいね」

正直言って、売主さんを説得することに気乗りがしません。
意固地かもしれませんが、最初のときに言われた「不動産屋は信用できん」
あの言葉がどうしても頭から離れません。

とはいえ、仕事に私情は禁物。翌日、売主さんにお会いしてきました。

「せっかくの話だけど断ってくれんか。その人には売りなくないんだよ。
どんな条件だろうとね。米本さん、いいか。俺は借金で首が回らんから売る
わけじゃないんだよ。最初に言ったはずだろう? 気分よく買ってくれる人
見つけてくれって。あの土地はね、思い出がいっぱい詰まっているんだよ。
覆水盆に返らず・・・という言葉があるだろう。その人にそう言っててくれ!」

翌日、住宅メーカーの営業マンにお断りの連絡をしましたが、この結末は
成るべくして成った、ということでしょう。

それにしても、今回のお客様が懇意にしていたという不動産屋さんは
事情も知らないのに、なぜ、あのようなアドバイスをしたのでしょうか。
私には、話がまとまらないよう仕向けたとしか思えません。 

 

 

 

 

 

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