確認

こんにちは。スタッフの米本博です。

「自分の目で確認し、少しでも疑問があるなら分かるまで調査する。不動産
に限らず、仕事とはそういうものだ」

これは、異業種から不動産業界に飛び込んだ私を厳しく教えてくださった上司
の言葉です。

私は、不動産業界に携わって三十年近くになりますが、「確認」は大事なこと
とわかりながらも、つい面倒だからとか、時間がないからなどと省き、その結果
深刻な不動産トラブルを起こした同業者を何人も知っています。

思い込みや自分勝手な解釈、推測ほど危険なことはありません。
たとえ遠回りでも「確認」という作業を確実に行なうことで、はじめてお客様から
信頼を得られるのではないでしょうか。

先日のことです。

所有する貸家で孤独死があった。相続人である子供は遺体の引き取りを拒否。
その後、区役所が遺体を引き取ってくれたが、遺品の片付けをどうすればいいか?

以前からお付き合いのある地主様から、こんな相談がありました。

当初、地主様は相続人が遺体の引き取り拒否をしているくらいだから
荷物を地主側で片づけても問題は起きないだろうと考えているようでした。

そこで、法律上、荷物を整理できる権限があるのは相続人であり、相続人の承諾も
なしに勝手に荷物を処分したら、後で問題になることをお伝えしました。

「たしかにそうだ。しかし、相続人の住所も連絡先もわからない状態ではどうしよう
もない。幸い親族の人が荷物を片づけても良いと言っているからそれなら問題ないだろう」

地主様としては、そのままの状態では落ち着かないし、次の入居者の募集のことも
考えれば早く決着つけたいという気持ちも、わからないでもありません。

しかし、たとえ親族の人といえど相続人の同意を得ないで荷物を片づけるのは問題です。
ここは、たとえ時間が掛かっても、相続人と今後のことについて会って確認するよう
アドバイスをしました。

その後、何度か話し合いをしましたが、地主さんの
「米本さんの言うとおりだ。一歩ずつ順番に事を進めていきます」の言葉にホッ。

私の意見は正論すぎて融通が利かないと言う人もいますが、そんな意見に耳を傾ける
必要はありません。
例え回り道になっても、やるべきことはきちんとやるのが不動産のプロです。

さて、そんな私が大失敗をしました。
過日のことです。妻となんでもないことで言い合いになり ました。

原因は、妻と私のどちらもが「確認」を怠ったことでした。

妻 「庭木の水やりに使う散水ホースから水が漏れるから部品を買ってきて」
私 「ホースのどこから漏れるの?」
妻 「ホースの先っぽに付いているところからよ」
私 「先っぽというと、水栓に繋いでいる金具のこと?」
妻 「そう。もうずいぶん前に付けたものだからゴムがヘタってきたのよ」

後でわかったことですが、妻が言っているのは「散水ノズル」のこと。
ところが、私はホースの先で、ずいぶん前のもの・・・この二つの言葉で
散水ホースを立水栓に取り付ける金具と解釈したのです。

たしかに、どちらもホースの先に繋ぐもの。
庭に出て、二人で確認さえすれば思い違いもなかったわけですが、
こんな些細なことで夫婦喧嘩とは、まさに「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」ですね。

 

 

 

 

 

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