昨夜、亡くなったモモ(ネコ)の夢を見ました。
モモは家の近所をうろついていた野良の子猫です。
人が近寄るとゴロンとお腹を出し寝転ぶような野良とは思えない人懐っこい性格の子でした。
そのとき、我が家にはすでに先住ネコが三匹いたので、これ以上飼うのは無理かなと躊躇しましたが見て見ぬ振りはできません。
夫に「飼っていい?」と聞いてもどうせ反対するに決まっているので「元気になるまでの間だけ」と適当に言って飼うことにしました。
先住ネコは新参のモモを「何者じゃ」と言わんばかりにシャーと威嚇します。でもモモは、気後れもせず、むしろ自分から先住ネコに近寄っていきます。

同じ野良出身のミィ(オス)などは、家に来た当初は警戒心が異常なくらい強く、エサをあげようとしただけでもシャーと目を吊り上げ、ときには噛みつかれたこともありました。
それに比べるとモモは警戒心がまるでなく、先住ネコにもまったく遠慮がありません。
一週間もするころにはもう何年も家に居るかのように振舞い、知らぬ間に自分の居場所も確保していました。

ただ、野良生活を思い出すのか、夜になるとカーテンの隙間から外を覗いてはよくニャーニャー鳴いていました。
散歩が好きな子で、バッタやトンポを捕まえては得意そうな表情のモモ。

モモちゃん、もう野良ではないからそんなの獲らなくていいのよ。
食べることも散歩も好きでしたが、それ以上に好きだったのは人間との触れ合い。
私が行くところ行くところについてきては足にまとわりつき、夫が新聞を読みだすと知らぬ間に膝に乗ってスヤスヤするモモ。
わたしがネコじゃらしを手にすると「遊んで~」と真っ先に飛んでくるモモ。
ほんとうに目に入れても痛くない可愛いネコでした。
性格が穏やかで毛並みも艶々してストレスフリーな生活、きっと長生きするだろうなと思っていました。
しかし、病魔は私たちの知らない間にモモの体を蝕んでいたのです。
やがて食欲は衰え、水ばかり飲みようになりました。おかげでトイレばかり行くようになって体はやせ細ってきました。
病院で診てもらうと甲状腺機能症候群とのこと。
薬を飲ませたり食事を医療食に変えたりしましたが、一向に改善しません。

そのうち視力が衰えたのか壁や家具に頭をぶつけることも多くなりました。
もしかして見えていないかもと病院で診てもらったら、目は見えていないと知らされました。
あのときモモは何を思っていたのでしょうか。

一説によると動物たちは過去にすがったり、行く末を案じたりすることがなく常に今を生きていると言われます。
たしかに動きが少なったことは除き、モモの表情にさほど変化は見られませんでした。
モモは淡々と受け入れていたのでしょうか。
亡くなって10年が経ちました。
今もネコの仏壇に手を合わせると元気に庭を飛び回っていたモモが目に浮かんでは消えていきます。
モモちゃん、あなたのこと忘れないからね。